寝ても疲れが取れない50代へ——睡眠の質を少しずつ整えた話

体と健康

「昨日、8時間も寝たのに、なんでこんなにだるいんだろう」

そう思いながらコーヒーをいれた朝が、ここ数年で何度あっただろう。若いころは多少の無理でも翌朝にはリセットされていたのに、50代に入ってからは「ちゃんと寝た」という感覚そのものが、どこかへ行ってしまった気がする。

夜中の2時、3時にふと目が覚める。トイレに起きたついでに、なんとなく眠れなくて。そのまままた目を閉じるけれど、次に気づいたら早朝5時で、眠った気がしないまま一日が始まる。

これ、同世代の人にこぼすと「あー、わかる」と即答される。そういう意味では珍しいことではないらしいんだけれど、当事者としてはなかなかしんどいんですよね。


寝ても疲れが取れない、夜中に目が覚める——それ、50代あるあるです

「8時間寝たのになぜかぐったり」という矛盾

睡眠って、時間じゃないんだなと気づいたのが最近のこと。長く寝ればいいってわけでもなく、むしろ50代になると「8時間以上ベッドにいる」こと自体が、眠りの質を下げることもあるらしい。

専門家によると、50代に必要な睡眠時間は6〜6.5時間程度が目安で、8時間睡眠が理想というのは若い世代の話だそう。「しっかり長く寝よう」という意識が、じつは50代には逆効果になっていることもある、という話を読んで、なんか腑に落ちた。

ぐったりしているのは、睡眠時間が足りないんじゃなくて、眠りの「質」が変わってきているせいかもしれない。

睡眠に悩む人が急増するのが、ちょうど50代という現実

ある快眠コーチの方がおっしゃっていたのが印象的で、10年前は40代の睡眠不調者が最も多かったのに、近年は50代と20代が急増しているという話。

20代は生活リズムの乱れが原因で比較的改善しやすいが、50代の場合は「老化」と「マンネリ化した日常」という根本的な変化が絡んでいるので、改善が数倍難しいとのこと。

…そう聞くと、少し気が重くなるけれど。でも「難しい」というのは「無理」じゃない。そこは区別しておきたいと思っている。


なぜ50代は眠りが浅くなるのか——老化ではなく「仕組みの変化」

睡眠圧が下がる、という聞き慣れない話

「睡眠圧」という言葉を初めて聞いたとき、なんのことかと思った。要するに、体や脳が「もう休みたい」と感じる圧力のことで、長時間起きていたり、激しく活動したりすることで高まっていく。

この睡眠圧が高いほど、ぐっすり眠れる。ところが50代になると、日常がある意味「最適化」されてきて、新しいことに挑戦する機会が減り、脳や体への刺激が少なくなる。結果として、睡眠圧が上がりにくくなる。

つまり、眠れないのは体が弱くなったというより、「今日もいつもと同じ一日だったから、脳があまり疲れていない」ということでもある。これを知ったとき、なんか悔しいような、でもちょっと希望があるような気持ちになった(苦笑

ホルモン変化と自律神経の乱れ

男性にも更年期がある、というのは知っていたけれど、あまり実感がなかった。50代になってテストステロンが低下すると、自律神経のバランスが崩れやすくなり、眠りが浅くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりする。

妻には「更年期の症状が出てきたかもね」と笑い飛ばされたが、冗談でもなさそうで。🙂 体内時計のリズムも若い頃とは変わってきて、夜になっても眠くなりにくいとか、朝早くに目が覚めてしまうとか、そういう変化は誰にでも起きることらしい。

マンネリ化した日常が、じつは眠りの敵だった

これが個人的に一番刺さった話で、単調な日常を送っていると、脳も体も負荷がかからないので、深い睡眠を必要としなくなるという。

毎日同じ電車に乗って、同じ仕事をして、同じ時間に帰って、同じ夕食を食べる。それ自体は安定していて悪いことじゃない。でも眠りという観点では、刺激がないことが熟睡を遠ざけている、という見方もできる。

なんとも皮肉な話だと思う。


よくやりがちな「睡眠改善法」、正直どうだった?

アルコールで寝ようとしていた時期の話

恥ずかしい話だけど、数年前まで寝酒が習慣になっていた。缶ビール1〜2本飲むと眠くなって、寝つきがよかった。だから「これ、睡眠に効いてるな」と思っていた。

ところがその頃、夜中の3時に目が覚めることが多かった。調べてみると、アルコールは眠りを浅くし、中途覚醒を増やすと書いてあって、まさにそれだった。寝つきをよくしてくれているのは本当なんだけど、後半の眠りを台無しにしている、という話だった。

禁酒を始めたのは別の理由(健康診断の数値)だったけれど、それに伴って夜中に目が覚める頻度がかなり減った。アルコールと睡眠の関係は、体で実感した感じがある。🍺

早く寝ようとするほど眠れなくなる逆説

「明日は早起きしないといけないから、今夜は早く寝よう」と決めて、いつもより1時間早くベッドに入る。

……で、眠れない。

これ、あるある中のあるあるなんですよね。日経の記事で読んだ話では、ベッドに入って10分以上眠れないときは、無理に寝ようとせず一旦寝室から出た方がいい、と書いてあった。「横になってすぐ眠りに入る感覚を取り戻す」ためだそうで、理屈はわかるけど実践はなかなか難しい。それでも「眠れないのに寝床でもがく」のが一番よくない、というのは頭に入れておくようにしている。

「8時間睡眠」への思い込みを手放したら少し楽になった

「今日は5時間しか寝ていない」と気づくと、なんとなく一日中不調な気がした時期があった。でもよく考えると、その日の体調はそんなに悪くなかったりする。

「何時間眠れたか」を一日の基準にするのをやめたのが、地味に効いた気がしている。50代に必要な睡眠時間は個人差もあるが6〜6.5時間程度、というのを知ってから、少し呪縛が解けた感じ。数字で自分を測ることをやめると、「今日は眠れた気がする」という感覚が戻ってきた。


私が実際に試して続いていること 😴

寝る時間より、起きる時間を固定する

これ、あちこちで言われているから「知ってる知ってる」と流していたんだけれど、実際にやってみると意外と難しかった。休日に二度寝してしまうと、月曜の夜に眠れなくなる。

意識的に、週末も起きる時間を同じにするようにしたら、寝つきが少し安定してきた気がする。2〜3週間かかったけれど、体が「この時間になったら眠る」というリズムを取り戻してくれた感じがある。すごく地味な習慣だけれど、今のところこれが一番効いている。

寝室の環境を少しだけ変えてみた(枕・照明・温度)

大きくお金をかけたわけじゃないけれど、まずカーテンを遮光タイプに替えた。3,000円くらい。朝に差し込む光で目が覚めてしまっていたと気づいたのは、替えてみてから。

あとは寝る前1時間、スマホをリビングに置いてくるようにした。これが一番しんどかった(苦笑 

   習慣になるまで1ヶ月くらいかかった。枕も少し硬めのものに替えてみたら、肩こりが軽くなって、眠りの途中で目が覚める頻度も減った気がしている。

劇的な変化とまでは言えないけれど、「何もしなかった頃」より確実にマシになっている。

日中に「ちょっとしんどい」ことをやるようにした 🚴

睡眠圧の話を読んでから、意識して「昨日と違うこと」を日中に入れるようにしている。具体的には、週3〜4回の30分ウォーキングと、自転車で少し遠回りをする、という程度のこと。

「きつめの運動」と書いてあった記事もあったけれど、そこまではなかなか続かない。ただ、体にある程度の負荷がかかると、夜になったときの「ちゃんと疲れた感」がある。この感覚、若い頃はあって当然だったけれど、50代でデスクワーク中心だと意識しないと消えていく。

日中の過ごし方が夜の眠りに直結している、という実感が少しずつ出てきた。


眠れない夜に焦らないための、考え方のシフト

「眠れなくても横になっていればいい」で気がラクになった

眠れない夜ほど「なんで眠れないんだ」と焦る。そして焦るほど眠れない。この悪循環、経験がある人はきっとわかるはず。

専門家の言葉で「一晩ぐらい寝不足になっても命に別条はない。むしろ『これで次の日は眠りやすくなる』と発想を切り替えることが必要」というのを読んで、なんか肩の力が抜けた。

眠れない夜は「しっかり横になって体だけは休める」と決めて、眠れることを強要しないようにした。完全に割り切れているわけじゃないけれど、以前よりはベッドの中でのもがき時間が減った気がする。

睡眠を「整える」のではなく「育てる」感覚で

睡眠って、一夜にして変わるものじゃないんだなと思っている。習慣を変えて、2週間、3週間かけてじわじわと変化していく、そういうものらしい。

「今夜からぐっすり眠れる方法」みたいなキャッチコピーをよく見かけるけれど、正直そんな魔法はないんじゃないかと今は思っている。それより、毎日のちょっとした積み重ねが、少しずつ眠りを育てていく、という感覚の方が自分には合っている。

焦らなくていい。完璧に眠れなくていい。ただ、昨日より少しだけ体をいたわる選択を重ねていく。それだけでいいんじゃないかな、と。


まとめ——50代の眠りは、一夜にして変わらない

「ぐっすり眠れた」という朝の感覚を、取り戻したいと思っている。まだ完全には取り戻せていないけれど、半年前に比べたら確実に改善している実感はある。

やってきたことはシンプルで、起きる時間を固定する、寝る前にスマホを手放す、日中に体を動かす、アルコールに頼らない、それだけ。どれも目新しいことじゃないし、「そんなことか」と思うかもしれない。

でも、「知っている」と「やっている」はまったく別物で。続けてみると、少しずつ変わってくる。

50代の眠りは、若いころとは別物だと思う。同じ感覚を取り戻そうとするより、今の自分の体に合った眠りを、少しずつ作っていくという方が、気持ちがラクだし、実際に続けやすい。

眠れない夜があっても、焦らなくていい。整え直せる、とわたしは思っている。


次回は、50代の「疲れのとり方」について書こうと思います。——睡眠だけじゃなく、昼間の体の回復力が落ちてきたと感じる人に届けたい話を、実体験をまじえながら。

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