外食が好きだった。
週に何度か、仕事帰りにちょっといい定食屋に寄る。週末は妻と二人でランチに出かける。そのくらいの頻度は「普通のこと」だと思っていたし、特に意識もしていなかった。食べることが好きで、外に出ることも好きで、それが自分のペースだった。
でも50代に入ってから、少しずつ違和感が出てきた。外食の途中で「あれ、食べ切れないかも」と思うことが増えたり、帰り道に胃が重たく感じたり。健診の数値が気になりはじめて、塩分のことをちょっと調べてみたら、自分が思っていた以上にとっていることを知ったり。家計の見直しをしていたら、外食費が思いのほかかさんでいたことに気づいたり。
「全部まとめて見直したほうがいいかもな」と思ったのが、去年の秋ごろのこと。この記事は、そのときから始めた試行錯誤の話です。
外食が「当たり前」だったころと、50代になって変わったこと
量を残すようになったのはいつからだろう
振り返ってみると、明確な転換点があったわけじゃないんですよね。気づいたら、定食のご飯を半分以上残すようになっていた。丼ものを頼んでも、最後の3分の1くらいが「うーん、食べきれるかな」という感じになってきた。
若いころは「大盛り無料」と書いてあれば迷わず頼んでいたし、ラーメンのスープも最後まで飲み干していた。それが今は、スープを半分残しても全然惜しくない。というより、残さなかったらしんどくなることを体が知っている。
体が勝手に「それくらいでいい」と言い始めた感じで、これは年齢のせいというより、体の声を無視しなくなったということなのかもしれない。
妻に「そんなに頼むの?」と言われた夜
あれは確か、二人でファミレスに行ったとき。メニューを見ながらあれもこれも頼もうとした瞬間、妻に一言言われた。「そんなに食べられるの?」じゃなくて、「そんなに頼むの?」というニュアンス。
最初はちょっとムッとしたんですが(笑 結果的に出てきた料理を前にして、確かに多いな、とは思った。食べ切れなかった。「もったいなかった」という気持ちより「頼みすぎた」という反省のほうが大きかった。
あの瞬間、自分の外食の感覚がまだ30代のままだったことに気づきました。
外食のコストって、実際どのくらいかかっているのか
家計簿をつけて初めて知った「見えない外食費」
去年の家計見直しをするにあたって、3ヶ月分のクレジットカード明細と食費のレシートを全部ひっくり返して調べてみました。正直、びっくりした。🙄
外食費だけで月に3万円を超えていた月がありました。二人暮らしとして、そんなに高級な店に行っているわけでもない。定食屋、ラーメン、カフェのランチ、週末のファミレス。それだけで積み上がっていたんですね。
「外食費は月2万円くらいかな」と感覚で思っていたけれど、全然違った。こういうのって、意識していないと見えない。食費の中の外食費を分けて記録するだけで、かなりリアルな数字が出てきます。
週2回の外食が、年間で換算するといくらになるか
ちょっと計算してみると、1回あたりの外食費を二人で3,000円として、週2回で年間にすると——約31万円になる。
31万円。決して小さくない金額ですよね。これが週3回になれば年間46万円を超える。老後の資金を考えている身としては、ちょっと無視できない数字になってきます。もちろん「外食をゼロにしろ」という話じゃないし、食べることは人生の楽しみのひとつだとも思う。でも「なんとなく続けていたコスト」を一度数字にしてみる価値はあったな、と感じました。
塩分って、外食でどのくらい摂っているのか
ラーメン一杯で1日の上限を超える現実
成人男性の食塩摂取目標量は1日7.5g未満(厚生労働省の基準)。でも醤油ラーメンのスープを飲み干すと、それだけで約7〜8g近くになることがある。つまり1杯で1日分を超えることも珍しくない。
これを知ったとき、正直ちょっとゾッとしました。ラーメンだけじゃなくて、定食に付いてくる漬物、みそ汁、お新香を全部合わせたら——かなりの塩分量になる。
50代になってくると、血圧が少しずつ上がりやすくなる年代でもあります。健診で「正常高値」「経過観察」と書かれた経験がある人も、周りに増えてきた。塩分のことを「将来の問題」と先送りにできなくなってきているのが、この年代の現実だと思います。
「残せばいい」がなかなかできない理由
わかってはいるんです。ラーメンのスープは飲み干さなければいい。定食の漬物は少しにすればいい。理屈は簡単なんですが、これが意外と難しい。
「お金を払って残すのがもったいない」という感覚は、昭和に育った世代には結構根深い気がしています。「食べ物を残すな」という刷り込みって、思っているより強い。あとは「せっかくの外食なんだから」という気持ちも手伝って、ついつい全部食べてしまう。
でも最近は、「残すこと」が節約でも贅沢でもなく、自分の体に合った量に整えることだと思うようにしました。そう考えるとちょっとラクになります。
食べる量を減らすことへの抵抗と、その折り合いのつけ方
「もったいない」と「腹八分目」のあいだで
外食で量を減らそうとすると、最初はすごく抵抗があった。「小盛りにしたら損した気分になる」とか「せっかく来たのにこれだけ?」とか。
でも考えてみると、食べ過ぎた後の「重たい感じ」のほうが、よっぽどもったいないですよね。夜ご飯を食べ過ぎた翌日、なんか体がすっきりしない、あの感覚。50代になってから、食べた後の体の状態が若いころより正直に出てくる気がする。🍽️
量を減らすことに慣れてきてからは、「腹八分目で箸を置く」のが自然になってきました。
量を減らしたら、逆においしくなった気がする
これは予想外の発見だったんですが——食べる量を少し抑えてみると、一口一口に集中できるようになった。
以前は「早く全部食べきらないといけない」という感覚で食べていたのかもしれない。でも量が少ないと、ゆっくり食べられる。味をちゃんと感じられる。満足感の出どころが「量」から「質」に少しずつ変わってきた感じがしています。
これは歳をとったことのネガティブな変化じゃなくて、「食べ方が成熟してきた」という解釈もできるかな、と。ちょっと前向きすぎるかもしれないですが(笑
私が実際に試した、外食との新しい付き合い方
月の外食予算を決めてみた——3ヶ月後の変化
去年の秋から、外食の予算を月2万円(二人分)と決めました。以前は3万円以上使っていた月もあったので、かなり絞った感覚はありました。
最初の1ヶ月は、週に1〜2回の外食をしっかり楽しんで予算内に収める、という感じ。2ヶ月目あたりから「この週は予算を使いすぎたから来週は自炊で」という調整ができるようになってきた。3ヶ月経った頃には、外食の回数が減った分、1回あたりの満足度が上がっていることに気づきました。
毎週行っていたカフェランチを月2回にしたら、そのぶん「今日はちょっとお気に入りの店にしよう」という気持ちになれた。「当たり前の外食」から「選んだ外食」に変わった感覚です。💴
行く店・頼むものを少しだけ変えたら何が変わったか
店の選び方もちょっと変えてみました。以前は「近いから」「早く食べられるから」で選ぶことが多かったけれど、「野菜がしっかりある定食系の店」を意識して選ぶようにした。
頼むものも、丼ものや麺類より定食系を選ぶことが増えました。定食系のほうが野菜を取りやすくて、食べる量も調整しやすい。ラーメンを頼むときはスープを半量残すと決めてみたら、思っていたよりストレスなくできた。「ルールを決める」と「そのたびに悩まない」で済むのが意外とよかった。
完全にやめるより「整える」——外食との距離の取り方
外食はやっぱり楽しい、だから上手に使いたい
外食を全部やめる気は全然ありません。おいしいものを外で食べる体験は、生活の質のひとつだと思っているし、妻と二人で「あのお店どうかな」と話すのも楽しい。
ただ「なんとなく行く外食」と「行きたいから行く外食」では、満足度がまるで違うことに気づいてしまった。以前の外食の中には、正直「惰性で行っていたな」と思うものも結構あった。
「整える」というのは、外食を減らすことじゃなくて、外食の意味をもう一度自分で決め直すことなのかもしれない、と今は思っています。😌
自分なりの「外食ルール」ができるまで
今の自分の外食のルールはざっくりこんな感じです。
- 月の外食予算は二人で2万円を目安にする
- ラーメンはスープを半分残す(塩分対策)
- 丼より定食系を意識的に選ぶ
- 「なんとなく行く外食」はなるべく減らして、「行くと決めた外食」を楽しむ
- 残しても自分を責めない
別に厳密にルールを守れているわけじゃないですよ。先週も予算を少しオーバーしたし、昨日もラーメンのスープをほとんど飲み干してしまいました(反省)。でも「何となく流されて食べる」から、「少しだけ意識して選ぶ」に変わっただけで、体の感じも家計も少しずつ変わってきている気がしています。
まとめ——外食との付き合い方は、整えていける
50代の外食見直しは、「我慢する」とか「節制する」とかじゃなくて、「自分に合ったサイズに整え直す」という感覚が一番しっくりきています。
食べられる量が変わった。塩分が気になるようになった。コストを老後の視点で考えるようになった。これは「加齢による制限」じゃなくて、「自分の体と財布に正直になってきた」ということなのかもしれない。
全部いっぺんに変えなくていい。まず家計簿で外食費を1ヶ月だけ把握してみるとか、ラーメンのスープを少し残してみるとか、そのくらいの小さい一歩から始めても十分だと思います。
外食との付き合い方に「正解」はないと思うけれど、「自分なりのやり方」は見つけられる。そう感じた3ヶ月でした。
次回予告:次回は「50代の昼食、職場と家でどう整えるか」について書こうと思います。外食費のなかで意外と占める割合が大きい「ランチ代」をどう考えるか——外食・弁当・テイクアウト、それぞれ試してわかったことをまとめます。


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