はじめに:「体もしんどいのに、お金の不安まで重なって」
「更年期でしんどいのに、子どもの教育費もかかるし、老後の貯金もできていないし……もう何をどうすればいいか分からない」
——こんな気持ち、ありませんか?
私が48歳のころ、ホットフラッシュが始まったのと同じ時期に、長女の大学入学が重なりました。夜中に汗でびしょびしょになって目が覚めて、「そういえば今月の光熱費、高かったな」とぼんやり思いながら、なんとも言えない焦燥感に包まれていた記憶があります。
体がきつい。なのにお金の不安が頭から離れない。そのダブルパンチがじわじわと、精神的なゆとりを削っていくんですよね。
この記事は、そういう状況にいる方のために書きました。「体のケア」と「お金のこと」は別々のテーマに見えて、実は深くつながっている。その話を、できるだけ正直に書いていきます。
更年期と家計のダブル苦が重なる「理由」
なぜ更年期の時期に家計の苦しさが重なりやすいのか——これ、構造的な問題なんですよね。
一般的に更年期は45〜55歳ごろに訪れますが、この年代は家計的にも「多重出費ゾーン」と呼べる時期です。
| 時期 | 体の変化 | 家計の変化 |
|---|---|---|
| 45〜50歳ごろ | 更年期症状が始まりやすい | 子どもの大学費用・塾代がピーク |
| 50〜55歳ごろ | 症状が最もきつくなりやすい | 住宅ローン残高・親の介護が重なる |
| 55歳以降 | 症状が落ち着いてくる人も | 役職定年・再雇用で収入ダウン |
さらに追い打ちをかけるのが医療費の増加です。更年期症状が辛い場合、婦人科でのホルモン補充療法(HRT)や漢方薬が選択肢になりますが、月々数千円〜数万円のコストがかかります。「体を整えるお金も出したいのに、家計が……」という板挟み感がリアルに存在するんです。
パーソル総合研究所の調査では、40〜50代正社員の4割前後が軽度以上の更年期症状を持ち、症状がある日の生産性は平均50%前後に低下するという結果が出ています。体がしんどいと仕事のパフォーマンスも下がる——でも仕事を休むわけにもいかない、というジレンマを抱えている方が本当に多いんです。
「体のこと」を後回しにするとお金が余計にかかる理由
「とりあえず我慢すれば通り過ぎるかな」——私もそう思っていた時期があります。
でも、更年期症状を放置することは、長期的には家計を圧迫するリスクがあることを後から知りました。
我慢が長引くほど治療費が増える
更年期のホットフラッシュや不眠が続くと、睡眠不足から自律神経のバランスがさらに乱れ、症状が悪化しやすくなります。「もう少し我慢すれば……」と思って婦人科受診を先延ばしにしている間に症状が重くなり、結果的により長期間・より高額な治療が必要になるケースがあるんですよね。
HRT(ホルモン補充療法)は、早期に始めた方が効果が出やすいとされています。月々の治療費は保険適用の場合で数千円程度(薬の種類によって異なります)。これを「出費」と見るか「症状悪化を防ぐ先行投資」と見るか——視点の切り替えが大事だと思いました。
体の不調が収入を削ることもある
症状が重くなると、パートや正社員として働いていた時間が削られることがあります。「更年期で仕事を辞めた」「時短にせざるを得なかった」という声は決して少なくない。
実際、更年期症状による経済的損失は年間1.9兆円(パーソル総合研究所の推計)に上るとされています。個人レベルで言えば「収入が月3〜5万円減る」という経験も珍しくないんです。体を整えることが、家計を守ることにもつながっているわけです。
更年期の医療費を「賢く使う」3つの知識
体のケアをしながら家計も守る——そのために知っておきたいことが3つあります。
①HRT・漢方薬は保険適用になる
更年期障害の治療は、ホルモン補充療法(HRT)も漢方薬も健康保険が適用されます。自己負担は3割。月々2,000〜5,000円程度で治療を続けている方も多いです。「婦人科なんて高そう……」と思って敬遠している方も、まずは一度受診してみると選択肢が広がりますよ。
②医療費控除を忘れずに
更年期治療で年間10万円以上の医療費がかかった場合(家族全体の合計)、確定申告で医療費控除が受けられます。交通費(電車・バス)も医療費に含められるので、家族全員の領収書をまとめておく習慣をつけると、年末に戻ってくるお金が変わってきます。
③サプリより食事で整える選択肢
「エクオール」「大豆イソフラボン」などのサプリは月2,000〜5,000円かかりますが、実は納豆・豆腐・豆乳といった食品で日常的に摂取する方が継続しやすくコストも低い場合があります。私は高価なサプリを3ヶ月試したのですが、「結局、毎朝豆乳を飲む方がコスパも継続率も高かったな……」と苦笑いした経験があります。
「更年期世代の家計」4つのリアルな課題と対策
体のこととは別に、この時期の家計には特有の課題が重なります。一つひとつ見ていきましょう。
①子どもの教育費ピークと重なる
大学4年間の費用は国立で約250万円、私立文系で約400万円が目安です。「私立理系に進学した」「下宿になった」という場合は6年間で700〜1,000万円かかることも。
この時期に「貯金を削るか、学資ローンを借りるか」という判断を迫られる方も多いのですが、奨学金(給付型・無利子型から検討)や大学の授業料免除制度を一度調べてみてください。家計の年収基準は思ったより幅広く設定されているケースがありますよ。
②役職定年・収入ダウンが重なることがある
特に夫が55〜58歳ごろに役職定年になり、給与が40〜60%下がるケースがあります。「更年期の自分がしんどい時期に、夫の収入が大きく下がった」というダブルパンチの話、実は珍しくないんです。
この変化を見越して、固定費の見直しを「今」やっておくことが大切なんですよね。通信費・保険料・サブスクリプションを合わせて月2〜3万円削れるだけで、年間24〜36万円の余裕が生まれます。
③親の介護が始まることがある
更年期と親の介護が重なるケースは非常に多いです。介護費用の平均は月8〜9万円、期間は平均4年7ヶ月、総額では約540万円(生命保険文化センター2024年調査)。親の資産や介護保険でまかなえるケースもありますが、「把握していなかった」という事態を防ぐために、親が元気な今のうちに話をしておくことを勧めます。
④「自分の老後資金」が後回しになりがち
子どもの教育費・夫の収入変化・親の介護——これらが重なると、「自分のことは後でいいや」となりがちなんですよね。でも50代の貯蓄の中央値は2人以上世帯で700万円(J-FLEC 2025年調査)。これが多いか少ないかは人によりますが、「老後30年を支えるには足りない」と感じる方も多いはずです。
50歳から65歳まで15年間、毎月3万円をNISAで積み立て(年利3%と仮定)すると、約700万円になります。「毎月3万円なんて……」という方も、固定費を月2万円削ってNISAに回すだけで、10年で約290万円(同条件)の差が生まれます。
「体のケア」に使う時間とお金を、罪悪感なく投資する
ここまで読んで「でも、自分のために使うお金が申し訳なくて……」と感じた方がいたら、ぜひ聞いてほしいことがあります。
更年期の不調を我慢し続けて仕事のパフォーマンスが下がること、イライラや不眠で家族との関係が悪化すること——それこそが家族全員にとってのコストなんですよね。
婦人科に行く交通費・診察料・薬代。自分が楽しめる趣味の時間。十分な睡眠のために早めに切り上げる夜。これらは「ぜいたく」ではなく、家計と家族を長く守るための「投資」なんだと、私はようやく腑に落ちました。
50代の女性の平均年収は約356万円(国税庁2024年調査)。男性と比べて格差はいまだ大きい。だからこそ、限られたお金をどこに使うかを戦略的に考えながら、自分の体を後回しにしないことが大事だと思っています。
まとめ:体の不調と家計の不安、一度に全部解決しなくていい
更年期と家計の不安が同時に押し寄せてきたとき、すべてを一気に解決しようとしなくていいです。
今日できることは、たった一つだけにしましょう。
体がしんどいなら、今週中に婦人科を予約する。家計が気になるなら、スマホのメモに今月の固定費を書き出す——それだけで十分です。
しんどい時期は必ず終わります。更年期の症状は永遠には続きません。家計の見通しも、数字を「見える化」した瞬間から、焦りより対策が動き始めます。
体も暮らしも、少しずつ整えていきましょう。あなたのことを心から応援しています。


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