はじめに
突然ですが、あなたは夜中に電卓を叩いて、「あれ?全然足りない」と気づいたことはありますか。
私はあります。忘れもしない、52歳の冬の夜でした。子どもの大学の学費、住宅ローンの残り、そして老後の貯蓄——三つの数字を並べてみたら、電卓の答えがどうにも嚙み合わなかった。スマホの画面が白く光るリビングで、しばらくそのまま固まっていたんです。
「なんでもっと早くちゃんと考えなかったんだろう」
そんな後悔と、じわじわした不安。でも、誰にも話せなかった。夫には心配させたくないし、友人に打ち明けるほど近い話題でもない。Googleで検索すると出てくるのは「老後2,000万円問題」というワードで、それを見てまた焦るだけ。
このブログは、そんな夜を何度も繰り返したひとりの50代が、「もう自分で調べて、記録して、整理していこう」と決めた場所です。同じような夜を過ごしている誰かに届いたら、これ以上嬉しいことはありません。
なぜブログを始めたのか?3つのきっかけ
きっかけ① ねんきん定期便に書かれた数字に愕然とした
50歳を過ぎた誕生月に届いた「ねんきん定期便」。
正直、それまで封も開けずに引き出しに突っ込んでいたんですよね。「後で見ればいいや」って感じで。でも、ある日ふと封を切ったら、「65歳からの受取見込み額」という欄に書かれていたのは、想像していた金額よりずっと少ない数字でした。
月額にして、夫婦合わせても約21万円。
「そんなに少ないの?」と声が出てしまいました。その月の我が家の固定費だけで約25万円なのに、そこから毎月4万円近くが足りない計算になる。20年生きたら約960万円。30年なら約1,440万円の不足です。もちろんこれは「今から何も変えなかった場合」の数字ですが、あの日の衝撃は今でも覚えています。
「これ、どうにかしないといけない」
そう思ったのが、ブログを始める遠因になりました。
きっかけ② 同世代の友人と話すたびに感じた「みんな同じ不安なのに、誰も話せていない」
51歳の誕生日に、仲のいい女友達と4人でランチをしたことがあります。子育てや仕事の話が一段落して、ふと「老後のお金、どうしてる?」という話になったんですね。
そうしたら、全員が一瞬黙った。
「私ぜんぜんできてないんだよね」「うちはローンがまだ残ってるしさ」「夫と話し合いをしなきゃと思いながら5年経った」——次々と出てきたのは、「不安」の言葉ばかり。でも誰も、具体的に何をしているかは話さなかった。なんとなく「知らない同士でいる方が楽」みたいな空気があったんです。
この経験が、私のなかで引っかかり続けました。みんな同じように悩んでいる。でも誰も話せていない。だったら、自分が正直に書いていく場所を作ろう、と思ったんです。
きっかけ③ 「失われた10年間」を振り返ったとき、後悔したくなかった
40代の私は正直、お金のことをほとんど考えていませんでした。「50代になってから考えよう」とずっと思っていたんです。
保険は「昔加入したものを継続中」、貯蓄は「なんとなく毎月少し」、投資は「怖いからやっていない」——典型的な先送り体質でした。
50代になって振り返ると、あの10年はいろいろな意味でもったいなかったんですよね。たとえばiDeCoを40歳から始めていたら、月2万円を年率3%で運用した場合、60歳時点で約328万円になっていた計算です。でも私がその10年にやっていたことといえば、「いつかやらなきゃ」と思い続けることだけ。
この後悔を、次の10年では繰り返したくない。そのための記録としてブログを始めました。
このブログが扱うテーマと、書かない・書けないこと
正直に書いておきたいんですが、私は財務の専門家でも、FPの資格を持つ人間でもありません。ただの52歳の夫婦(パートあり)です。
だからこそ、このブログではこういうことを書いていきます:
- 実際に試してみて、よかったこと・いまいちだったこと(固定費の見直し、格安SIMへの乗り換えの顛末など)
- 自分がどう調べて、どう考えたか(FP相談に行ってみた話、ねんきん定期便の読み方を独学した記録など)
- うまくいかなかった話も含めたリアル(節約しようとして途中で挫折した体験など)
- 50代ならではの暮らしの悩み(更年期と家計のダブルパンチ、親の介護と出費の話など)
逆に、「これが正解です!」という断言はしません。私が試したことが、あなたの状況に合うとは限らないから。参考にしながら、自分に合う答えを一緒に探してもらえたら嬉しいんです。
50代のお金の悩み、「正直に話せる場所」がない問題
「50代 貯蓄 平均」と検索したことはありますか。
出てくるのは「50代の平均貯蓄額は約1,253万円」という数字なんですが、これが曲者で。実は「平均値」は一部の富裕層に引っ張られていて、実態に近い「中央値」は約350万円なんですよね。さらに、約4割の世帯が実質的に貯蓄ゼロとも言われています。
「平均以下の自分はダメなんだ」と感じる必要は全然ないんです。むしろ、そこからどうするかの方がずっと大事なわけで。
でも、こういった話を誰かにしようとすると、どうしても「うちは大丈夫だよ」という建前や「知らなかった」という驚きで話が終わりがちです。職場でお金の話はしにくいし、友人ともなかなか深い話にならない。
だからこそ、ブログという「顔の見えない場所」で正直に書くことに意味があるんじゃないかと思っています。読んでいるあなたも、きっとどこかで「うちだけじゃないんだ」と思ってほしいんです。
ブログを始めてよかったと感じること
実は、ブログを始めてから変わったことがあります。
自分の家計と向き合うようになった、というのが一番大きいです。「書く」という行為が、曖昧にしていた数字を明確にしてくれるんですよね。先日、固定費の見直しを記事にするために保険の証書を全部引っ張り出したら、子どもが独立した後も続いていた学資保険の払い済みを確認できました。月2万円近い保険料が浮いたのは、記事を書こうとしなければ気づかなかったかもしれません。
もうひとつは、同じ悩みを持つ人に出会えること。コメント欄やSNSで「私も同じです」「この記事で勇気が出ました」と言っていただけると、書いていてよかったなと思います。一人で悩んでいた夜の気持ちを知っているからこそ、その言葉がうれしいんです。
50代からブログを始めることへの正直な気持ち
「今さらブログを始めても遅くないか?」
はい、私も最初そう思いました(笑)。パソコン操作はそこまで得意じゃないし、文章を書いたのは学生時代の作文以来だし、WordPressを設定するのに半日かかりました。あの日の夕方、「やっぱりやめようかな」と3回は思いましたよ。
でも、「50代の体験談」こそ、20代・30代のブロガーには絶対に書けない内容だとも気づいたんです。ねんきん定期便のリアルな数字、住宅ローンの借り換えを実際に検討した経緯、更年期と向き合いながらの節約生活——こういった「当事者の記録」に価値があると思っているんです。
だから、うまく書こうとするのはやめました。正直に、等身大に。それだけを心がけています。
このブログで一緒に考えたいこと
最後に、これからこのブログで扱っていきたいテーマをまとめておきます。
| テーマ | こんな悩みを持つ方に |
|---|---|
| 固定費の見直し | 何から手をつければいいか分からない方 |
| iDeCo・NISAの実録 | 「今さら遅い」と思っている方 |
| 年金のリアル | ねんきん定期便の見方が分からない方 |
| 介護とお金の準備 | 親の介護が現実になりつつある方 |
| 更年期と暮らし | 体の変化と家計の変化が重なって辛い方 |
| 50代の仕事とキャリア | 定年後のキャリアを漠然と不安に思う方 |
どれも、「正解を教えます」ではなく、「私はこうしました、こう考えました」というスタンスで書いていきます。
もしあなたが、あの冬の夜の私と似たような思いを抱えているなら、ここで一緒に考えていきましょう。一人で抱え込んでいると、本当に消耗しますから。
まとめ:電卓を置いて、一歩踏み出すために
50代のお金と暮らしの悩みは、「知らなかった」ままでいるより、「知って動く」方が圧倒的に楽になります。それは、私自身がこの1年で実感してきたことです。
一度に全部解決しようとしなくていいんです。ひとつずつ、できることから。
このブログが、そのための小さなヒントになれたら嬉しいです。

コメント